「インサイトは毎月開いているのですが、どこを見ればいいのか分かりません」。企業アカウントの担当者から、こう言われたことがあります。画面には数字が並んでいるのに、来月の投稿を決める材料にはなっていませんでした。

先に結論を書きます。インスタのインサイト(インスタグラムが用意している数字の画面)は、アカウント全体の階と、投稿ごとの階の二階建てになっています。見方に迷う原因は、数字が多いことではありません。自分がいまどちらの階を見ているのかを決めずに開いていることです。階を決めてから開くと、見る数字は三つか四つに絞れます。

インスタのインサイトとは、届き方と反応を記録している画面です

インサイトは、投稿がどれだけの人に届き、どれだけの反応があったかをインスタグラムが自動で記録している画面です。Metaのヘルプには、公開アカウントを持っていれば無料で使えると書かれています。広告を出す機能そのものがプロアカウント(ビジネスまたはクリエイター)に限られているため、広告の数字もプロアカウントでしか出てきません(出典: Instagramインサイトについて)。

数字が残る期間には上限があります。同じヘルプページに、インサイトを表示する期間は過去90日以内から選ぶと書かれています。月末にまとめて振り返る運用なら足りますが、半年前と比べたいときには90日では届きません。比べる予定があるなら、月ごとに自分で書き写して残しておく必要があります。

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インサイトの開き方と、数字が出てこないときに見るところ

アプリでは、プロフィール画面の右上のメニューから「インサイト」を開きます。プロフィール文の下に「プロフェッショナルダッシュボード」が出ているアカウントなら、そこからも直近の概要にたどり着けます。個人用アカウントのままの場合、メニューの名前は「インサイト」ではなく、「インサイトとツール」の下の「ダッシュボード」になります。

パソコンのブラウザから見るときは、instagram.com の左側のメニューから入ります。プロアカウントなら「プロフェッショナル向け」の下の「インサイト」、個人用アカウントなら「インサイトとツール」の下の「ダッシュボード」を選びます。そのあと「アカウント」と「コンテンツ」のどちらを見るかを選んでから、期間を指定します。期間は過去7日間・14日間・30日間・90日間のいずれかを選ぶか、カレンダーで開始日と終了日を自分で決めます(出典: Instagramでアカウントとコンテンツのインサイトを見る)。

図1 インサイトの開き方。押す場所と、メニューの名前

アプリ 株式会社◯◯ 自己紹介文 プロフィール画面の右上、三本線のメニューを押します パソコンのブラウザ instagram.com ホーム 検索 インサイト / ダッシュボード プロフィール 左のメニューから、下の表の名前の項目を選びます アカウントの種類 メニューに出ている名前 プロアカウント 「インサイト」(パソコンでは「プロフェッショナル向け」の下) 個人用アカウント 「インサイトとツール」の下の「ダッシュボード」
探しているのに見つからないときは、アカウントの種類でメニューの名前が変わっているだけのことがあります。上の表の名前で探し直してください。

数字が出てこないときは、次の四つを順に確かめてください。一つ目は、アカウントが公開になっているかです。二つ目は、探しているメニューの名前が合っているかです。上に書いたとおり、プロアカウントと個人用アカウントでは入り口の名前が違います。三つ目は、指定した期間が90日より前に食い込んでいないかです。90日を超えた分は画面に残っていません。四つ目は、フォロワーの年齢層や地域だけが出ない場合で、フォロワーが100人に届いているかです。この条件は、後ろの「二階建て」の節で説明します。

投稿ごとの数字は、投稿を開いて「インサイトを見る」を押します

投稿一本ごとの数字は、右上のメニューを通らなくても、投稿そのものから開けます。Metaのヘルプに書かれている手順は、プロフィールに移動する、数字を見たい投稿をタップする、「インサイトを見る」をタップする、の三つです(出典: Instagram投稿のインサイトを表示する)。手元のアプリでは、開いた投稿の画像のすぐ下にこのボタンが出ています。

Metaの別のヘルプページでは、同じ操作が「個々の投稿とリール動画で[インサイトを表示]をタップする」と書かれています(出典: Instagramインサイトについて)。ボタンの名前がヘルプの中でも「インサイトを見る」と「インサイトを表示」の二通りあるので、探すときはどちらの名前も見落とさないようにしてください。

図2 投稿ごとのインサイトを開く順番(模式図)

一 プロフィールを開く 二 見たい投稿をタップ 三 「インサイトを見る」をタップ 株式会社◯◯ 自己紹介文 株式会社◯◯ インサイトを見る
二で濃く塗った一本だけを開いた状態が三の画面です。赤で囲んだボタンから先が、その投稿一本ぶんの数字になります。

押した先の画面に並ぶ数字のうち、Metaのヘルプが意味を説明しているのは次の三つです(出典は上と同じInstagram投稿のインサイトを表示する)。

画面の項目名 ヘルプの説明を短くしたもの
閲覧数 コンテンツが表示された回数
インタラクション 見た人が投稿にとった行動(いいね、コメント、保存、シェアなど)の回数
プロフィールのアクティビティ 投稿に反応したあと、プロフィールを見た人がとった行動の数

閲覧数は人数ではなく回数です。同じ人の画面に二回表示されれば、二と数えます。届いた人数を知りたいときは、閲覧数ではなくリーチを見てください(出典: Instagramインサイトについて)。

リールとストーリーズは、開き方と並ぶ数字が投稿と少し違います

リールは、プロフィールの「リール」タブから見たい動画を開き、「インサイトを見る」をタップします。Metaのヘルプでは、リールの画面に並ぶ数字として次の五つが説明されています(出典: Instagramリール動画のインサイトを表示する)。

画面の項目名 ヘルプの説明を短くしたもの
再生数 再生またはリプレイが始まった回数
再生時間 動画が再生された時間の合計(リプレイした分も含む)
平均再生時間 再生時間を、初回の再生の回数で割ったもの
リーチしたアカウント数 動画を一度でも画面に表示したアカウントの数(再生されたかどうかは問わない)
フォロー数 動画を見てフォローしたアカウントの数

同じヘルプには、リールの数字は公開した日から最大2年間見られること、対象は2021年5月14日(米国時間)以降に投稿したリールであることも書かれています。アカウント全体の画面で選べる期間は過去90日以内なので、半年前のリールと今月のリールを比べたいとき、数字を書き写していなければ、リールを一本ずつ開いて数字を見ることになります。

ストーリーズでは、投稿のように「インサイトを見る」を押す手順になっていません。Metaのヘルプには、ストーリーズを開いて上にスワイプするかタップすると、閲覧数、閲覧者、インタラクション、アクションを実行したアカウント数を確認できると書かれています(出典: Instagramインサイトについて)。

図3 投稿・リール・ストーリーズの開き方と、ヘルプに載っている数字

種類 開き方 ヘルプに載っている数字 投稿 投稿を開いて 「インサイトを見る」 閲覧数/インタラクション プロフィールのアクティビティ リール 「リール」タブから開いて 「インサイトを見る」 再生数/再生時間/平均再生時間 リーチしたアカウント数/フォロー数 ストーリーズ ストーリーズを開いて 上にスワイプかタップ 閲覧数/閲覧者/インタラクション アクションを実行したアカウント数
項目の名前は種類ごとにそろっていません。リールの再生数と投稿の閲覧数のように、名前が似ていても数えているものが違う項目を、同じ列に足し合わせないでください。

投稿ごとに見た数字のうち、届いた数と反応の使い方は、次の二つの節で書く「下の階」と「最初に見る順番」にそのままつながります。

画面は「アカウント全体」と「投稿ごと」の二階建てです

上の階は、アカウント全体の数字です。ここでは期間を選んで、その期間中にアカウントへ届いた人数や、プロフィールを見た人数、フォロワーが増えた数を見ます。答えられるのは「先月と比べて、アカウントは広がったのか」という問いです。

上の階には、フォロワーの属性も出ます。Metaのヘルプには、フォロワーが100人以上いると、フォロワーの増減、多い地域、年齢層、インスタグラムを最もよく使っている時間帯を確認できると書かれています。投稿を見た人や反応した人の地域・年齢層・性別は、対象のアカウントが100件を超えたときに出ます。過去7日間で出てこなければ、30日間や90日間に広げるよう案内されています(出典: Instagramインサイトについて)。フォロワーが100人に届く前にこの欄が空いていても、不具合ではありません。

下の階は、投稿ごとの数字です。個別の投稿を開くと、その投稿のリーチ、いいね、コメント、保存、シェア、プロフィールへ進んだ数が出ます。答えられるのは「どの投稿に反応が集まったのか」という問いです。

この二つを混ぜると、判断がずれます。たとえば、アカウント全体のリーチが伸びていない月に、個別の投稿を一本ずつ開いて原因を探しても、なかなか答えが出ません。全体が動かないのは投稿の中身より本数や配信面の話であることが多く、逆に一本だけ跳ねた投稿の理由は、全体の画面には出てこないためです。

図4 インサイトの二階建てと、それぞれの階で答えられる問い

上の階 アカウント全体 見る数字:届いた人数/プロフィールを見た人数/フォロワーが増えた数 答えられる問い:先月と比べて、アカウントは広がったのか 下の階 投稿ごと 見る数字:リーチ/いいね/コメント/保存/シェア/プロフィールへ進んだ数 答えられる問い:どの投稿に反応が集まったのか この二つを同じ表に混ぜると、どの数字が動いていないのかが分からなくなります。 開く前に、どちらの階を見るかを決めてください。
月次の表は上の階、投稿の振り返りは下の階と、表を二枚に分けておくと混ざりません。全体が動いていない月に投稿を一本ずつ開いても、答えは出てきません。

受託でアカウントの引き継ぎを受けたとき、前任者のレポートが上の階と下の階の数字を同じ表に並べていて、増減の説明がつかなくなっていた例がありました。表を二枚に分けただけで、どの数字が動いていないのかがはっきりしました。

最初に見る順番は、届いた数、反応、プロフィールへの移動です

見る数字を絞るなら、この三つを順番に見てください。

一つ目は、届いた数です。投稿ごとの画面ではリーチ、アカウント全体の画面では期間中に届いた人数として出ます。ここが動いていなければ、その先の反応も動きません。なお、リーチと似た場所に閲覧数が並んでいますが、この二つは数えている対象が違います。閲覧数は、以前インプレッション(表示回数)と呼ばれていた数字にあたります。詳しくはリーチとインプレッションの違いにまとめました。

二つ目は、反応です。いいね、コメント、保存、シェアの四つが並びます。この四つを合計して届いた数で割ったものが、一般にエンゲージメント率と呼ばれています。割り方には流儀があるので、エンゲージメント率の計算式を先に決めておくと、月をまたいだ比較ができます。保存だけは他と性質が違い、あとで見返す意思を表します。保存率の見方も合わせて確認してください。

三つ目は、プロフィールへ進んだ数です。投稿を見た人のうち、アカウントの名前をタップしてプロフィールまで来た人数が出ます。問い合わせや予約は、ほぼ全てプロフィールを経由します。届いた数が多いのにここが少ない投稿は、内容は見られていても、発信元への関心までは動いていません。

この順番で見ると、数字が低くなっている場所を一箇所に絞れます。

低くなっている数字ごとに、次に直す場所を決めます

比べる相手は、同じ種類の投稿です。Metaのヘルプには、インサイトの「あなたがシェアしたコンテンツ」で各コンテンツタイプの下をタップするとコンテンツライブラリが開き、メディアタイプ、リーチ、インタラクション、期間で絞り込めると書かれています(出典: Instagramインサイトについて)。リールならリールだけに絞り、直近の投稿を並べて、三つの数字のどこで低くなっているかを確かめます。

図5 低い数字ごとの、確かめることと次に直す場所

届いた数 反応 プロフィールへの移動 確かめること フォロワー以外の人に 届いているか 確かめること 届いた数が近い投稿と 保存とシェアを比べる 確かめること 発信元と、プロフィールを 見る理由が読み取れるか 次に直す場所 投稿の本数と種類 次に直す場所 テーマと冒頭のつかみ 次に直す場所 投稿文の書き方
届いた数がそろっていない投稿どうしでは、反応の差を比べられません。

届いた数が低いときは、フォロワー以外の人に届いているかを見ます。Metaのヘルプには、投稿、ストーリーズ、Instagram Liveは、アクションを実行したアカウント数をフォロワーとフォロワー以外に分けて確認できると書かれています。この数字は推定値で、ヘルプにはまだ開発中と書かれています(出典は同じInstagramインサイトについて)。閲覧数については、プロフィール、ホーム、ハッシュタグ、発見という経路ごとの内訳を紹介している解説もあります(出典: Instagramインサイトの分析・解析方法を徹底解説)。発見タブに載る条件は発見タブの記事にまとめました。次に直す候補は、投稿の本数と、リールや複数枚の投稿といった投稿の種類です。

反応が低いときは、届いた数が近い投稿どうしで保存とシェアを比べます。届いているのに反応が少ない投稿は、次に直す候補がテーマと冒頭のつかみになります。リールなら、平均再生時間を動画の長さと並べると、最後まで見られていない動画を見分けられます。

プロフィールへの移動が低いときは、投稿の中で発信元が読み取れるか、プロフィールを見る理由が投稿文に書かれているかを確かめます。次に直す候補は、投稿文の書き方です。プロフィールまで来ているのにフォローや問い合わせが増えないなら、直す場所はプロフィール文です。プロフィールが開かれた割合の出し方はプロフィールアクセス率の記事に書きました。

直すのは一度に一箇所にしてください。テーマと本数を同時に変えると、翌月に数字が動いても、どちらの変更のあとに動いたのかを言えなくなります。

期間の切り方で、同じ月の数字が変わります

アカウント全体の画面では、期間を自分で選びます。ここに落とし穴があります。

期間中に投稿した本数がそろっていないと、月ごとの比較は成り立ちません。8月に10本、9月に6本を投稿していれば、9月の合計が小さく出るのは当たり前です。合計だけを並べたレポートは、この差を隠してしまいます。本数もいっしょに書いておくと、合計が減った理由を取り違えずに済みます。

もう一つ、投稿した直後の数字は確定していません。リールは特に、公開から数日かけて届く範囲が広がります。月末に投稿した分を月末の集計に含めると、その投稿だけ低く見えます。集計日を毎月そろえて、たとえば「前月1日から末日までに公開した投稿を、翌月10日に集計する」と決めておくと、月ごとの条件がそろいます。

広告を出している場合は、さらに注意が必要です。ツールによっては、広告で届いた分と、広告をかけない通常の投稿で届いた分を合算して表示します。合算された数字で通常の投稿の善し悪しを判断すると、実際には広告費で伸びた分を投稿の手柄として数えてしまいます。

インサイトで分からないこと、別に記録しておくこと

インサイトは、投稿の中身を記録していません。どの投稿が伸びたかは分かりますが、その投稿が何をどう見せたものだったかは、画面に残りません。数か月経ってから伸びた投稿を見返しても、共通点を言葉にできないのは、この記録が無いためです。

投稿を出すときに、その投稿の型を一言で書き添えて残してください。「事例の紹介」「使い方の手順」「よくある質問への回答」といった粒度で十分です。三か月ほど溜まると、伸びた投稿の型が偏っていることが見えてきます。インサイトの数字と、この一言のメモが並んで初めて、次に何を作るかが決まります。

問い合わせの数も、インサイトの外にあります。プロフィールに置いたリンクの先で何件の連絡があったのかは、インスタグラム側では分かりません。自社のフォームやメールの受信箱を数えて、月ごとに書き残す必要があります。

今月は、インサイトを開く前に「アカウント全体を見るのか、投稿ごとを見るのか」を決めてから開いてください。そのうえで、届いた数、反応、プロフィールへの移動の三つだけをメモしてください。数字を全部書き写す必要はありません。