「うちの投稿は、どうすれば発見タブに載りますか」。運用の相談で、月に何度か出てくる質問です。

発見タブとは、インスタ(Instagram)の虫めがねのアイコンを押したときに開く、フォローしていないアカウントの投稿が並ぶ画面のことです。ここに載ると、自社をまだ知らない人にも投稿が表示されます。結論を先に書きます。発見タブに載せる操作は用意されていません。企業アカウントの側でできるのは三つです。おすすめの対象から外れる条件を踏まないこと、自社の投稿が発見タブから見られたかどうかを投稿のインサイト(Instagramが用意している数字の画面)で確かめること、フォロワー以外にどれだけ届いたかを投稿ごとに数えて、届いた投稿の共通点を自分の手元で見つけることです。

発見タブは、フォローしていない人に届く画面

自社をフォローしている人のホームの画面には、フォローしているアカウントの投稿が流れます。発見タブはそれとは別で、その人がこれまで見たり保存したりしてきた内容をもとに、フォローしていないアカウントの投稿が並びます。

並ぶ場所も一種類ではありません。虫めがねの画面のほかに、リールを縦に送っていく画面にも、フォローしていないアカウントの動画が混ざります。社内で「発見タブに載った」と言うときに、どちらの画面を指しているかがずれていることがあるので、話を始める前にそろえておきます。

図1 同じアプリの中で、並ぶ投稿が違う三つの画面(模式図)

ホームの画面 並ぶのは フォローしている アカウントの投稿 発見タブ(虫めがね) 並ぶのは フォローしていない アカウントの投稿 リールを縦に送る画面 並ぶのは フォローしていない アカウントの動画も
どの画面に出たのかによって、見ている人が自社のフォロワーかどうかが変わります。

つまり、発見タブに並ぶ内容は人によって違います。自社の投稿が誰かの発見タブに出ていても、社内の別の担当者の画面には出てきません。「自分の画面で確認する」という方法が使えないので、載ったかどうかは後で説明する数字で見ることになります。

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載るかどうかは、投稿ごとに決まります

相談を受けていて多いのは、アカウント全体の設定を変えれば載るようになる、という受け取り方です。プロフィールの書き方や、フォロワーの数を上げれば発見タブに入れる、という考え方です。

Instagram側の説明では、何をおすすめとして表示するかは投稿ごとに判断されるとされています。同じアカウントの投稿でも、ある一本はフォロワー以外に大きく届き、次の一本はほとんど広がらないことがあります。運用の現場でも、この差はよく起きます。前の週に広く届いた投稿と同じ型で作った次の投稿が、まったく広がらないという事態は珍しくありません。ですから、一本の結果でアカウント全体の良し悪しを判断せず、何本かまとめて見る必要があります。

Instagramが挙げている、発見タブの並びに使う四つの情報

Instagramの責任者が2023年に公開したランキングの説明では、発見タブに使う情報として次の四つが、おおよそ重要な順に挙げられています。

  1. 投稿そのものの情報:いいね、コメント、シェア、保存がどれだけ多く、どれだけ速く集まっているか
  2. 見る人の発見タブでの行動:過去に発見タブでいいね、保存、シェア、コメントをした投稿
  3. 見る人と投稿者のやり取り:その投稿者とこれまでにどれくらいやり取りしてきたか
  4. 投稿者の情報:ここ数週間で、その投稿者がどれくらい反応を受けたか

同じ説明には、一つ目の情報は発見タブではホームやストーリーズよりずっと大きな意味を持つこと、予測の中で特に重く見るのはいいね、保存、シェアであることも書かれています。一方で、保存率が何%あれば載るといった基準の数字は、この説明には書かれていません。解説記事で目にする目安の数字は、Instagramが示したものかどうかを出どころで確かめておきます。

図2 発見タブの並びに使われる四つの情報を、誰の情報かで分けた図

投稿する側の情報 1 投稿そのもの いいね・コメント・シェア・保存の量と速さ 4 投稿者 ここ数週間で受けた反応の量 見る人の側の情報 2 発見タブでの行動 過去にいいね・保存・シェア・コメントをした投稿 3 投稿者とのやり取り その投稿者とこれまでにやり取りした度合い
番号はおおよその重要な順です。右の二つは見る人ごとに違うので、同じ投稿でも発見タブに出る人と出ない人が分かれます。

おすすめされない条件を、先に外す

Instagramは、おすすめとして表示しない内容の基準を公開しています。Instagramのクリエイター向けの説明によると、おすすめに出るのは公開アカウントの投稿だけで、ビジネスアカウントとクリエイターアカウントは自動的に公開になります。内容そのものの基準に加えて、運用の側で踏みやすいものが二つあります。

一つは、他のアプリで作って書き出した動画を、そのアプリのロゴが画面に残ったまま出すことです。作り直したものではない投稿は、おすすめの対象になりにくいと説明されています。動画を別のアプリで編集すること自体は問題になりませんが、書き出すときにロゴが乗る設定は外しておきます。同じ説明では、透かしの入った動画のほかに、不明瞭な動画や解像度の低い動画も例に挙がっています。

もう一つは、他の人の投稿をそのまま自社のアカウントから出すことです。撮影を外部に頼んだ素材でも、自社のアカウントから出す形に作り直してあれば問題になりません。判断に迷ったら、Instagramのヘルプにあるおすすめの基準を、投稿を作る担当者と一緒に一度読んでおくと、迷いが減ります。

おすすめの対象かどうかは、アカウントステータスで確かめます

どの投稿もフォロワー以外に届かないときは、投稿の中身を直す前に、アカウントがおすすめの対象になっているかを確かめます。ビジネスアカウントかクリエイターアカウントなら、「アカウントステータス」という画面で見られます。対象と出ていれば、発見タブに並ぶ候補には入っています。それでも必ず並ぶわけではありません。

開き方は、プロフィールの右上の三本線を押し、設定の中の「アカウント」から「アカウントステータス」に進みます。設定から先は、Instagramの説明に書かれている順番です。メニューの並びはアプリの更新で変わることがあります。見当たらないときは、設定の中を「アカウントステータス」という名前で探してください。

対象外と出た場合は、基準に合っていない可能性がある投稿の例、プロフィールの要素、削除された投稿がそこに表示されます。投稿は編集や削除ができ、判断が誤っていると考えるときは再審査を頼めます。基準に合わない投稿が繰り返されると、アカウントの投稿すべてが一定期間おすすめの対象から外れることがあると、Instagramは説明しています。

図3 アカウントステータスの開き方と、表示されたあとの動き(模式図)

右上の三本線 → 設定 → アカウント → アカウントステータス おすすめの対象と出た場合 発見タブに並ぶ候補に入っている状態です 必ず並ぶわけではありません 対象外と出た場合 表示された例を見る 投稿を編集するか、削除する 判断が誤っていると考えるなら再審査を頼む
左右で先が分かれます。この画面で手を打てるのは右に出たときだけです。

発見タブに載ったかは、インサイトの内訳で確かめます

自分の画面では確かめられないと先に書きました。代わりに使うのが、投稿のインサイトです。押すのは二回だけです。

一回目は、アプリで自社の投稿を開き、投稿の下に出ている「インサイトを見る」です。二回目は、開いた画面にリーチやいいね、保存と並んでいる「閲覧数」です。ここを押すと閲覧数の内訳が出て、その投稿がどこから見られたのかが「ホーム」「プロフィール」「発見」「その他」のように分かれて並びます。この「発見」が、発見タブから見られた回数です。

「発見」の行が無いか、あっても回数がゼロなら、その投稿は発見タブにはほとんど出ていません。回数が一桁なら、誰かの画面に一瞬並んだ程度と読んでおきます。

図4 発見タブから見られたかを確かめる操作(模式図)

一回目 「インサイトを見る」 写真や動画 インサイトを見る 二回目 「閲覧数」 リーチ 閲覧数 いいね 保存 そのあと 内訳の「発見」 閲覧数の内訳 ホーム プロフィール 発見 その他
探すのは一行だけです。同じ画面に並んでいるほかの数字は、発見タブから見られたかどうかの判断には使いません。

閲覧数は、以前「インプレッション」と呼ばれていた数字にあたります。同じ人が二回見れば二回と数えるので、人数を数えるリーチとは別のものです。二つの違いはリーチとインプレッションの違いにまとめました。

画面の項目の名前は、アプリの更新で変わることがあります。手元の画面に「閲覧数」が見当たらないときは、「ビュー」や「インプレッション」という名前で同じ場所に出ていないかを探してください。内訳の並びも、アカウントによって項目の数が違います。

狙うのは順位ではなく、フォロワー以外に届いた数

同じインサイトの画面では、その投稿を見た人のうち、フォローしていない人がどれくらいいたかも出ます。

この数字を、投稿ごとに手元の表へ書き写していきます。表に入れるのは、投稿した日、投稿の型、見た人の数、そのうちフォローしていない人の数の四つで足ります。画面を毎日見に行く必要はなく、週に一度、前の週の分をまとめて書き写す形で続きます。十本ほど溜まると、フォロワー以外に届いた投稿と、そうでない投稿の差が見えてきます。当社が受託で見てきた範囲では、フォロワー以外に届いた投稿は、業界の中の人にしか通じない言葉を使っていない、という共通点を持っていることが多いです。社内では当たり前の略語や品番が冒頭に出てくる投稿は、フォロワーの中では読まれても、その外側へは広がりにくくなります。インサイトの画面の見方はInstagramのインサイトの見方にまとめています。

「載るには」の小技のうち、確かめようがないもの

発見タブの話題では、投稿する時間、タグの数、コメントを増やす方法など、細かい手順が数多く語られます。これらのうち、自社で確かめられるものと、確かめようがないものを分けておくと、時間の使い方が変わります。

投稿する時間やタグの付け方は、自社の投稿で試して、フォロワー以外に届いた数を前後で比べられます。一方で、複数のアカウントで互いにコメントを付け合う、決まった秒数で動画を作る、といった手順は、効果を自社のデータでは確かめられません。確かめられないものは、試すこと自体は止めませんが、判断の根拠にはしないでおきます。社内で報告するときも、確かめた結果と、試しただけで結果を見ていないものを、同じ資料の中で分けて書いておくと、後から読んだ人が取り違えずに済みます。仕様そのものの追いかけ方についてはInstagramのアルゴリズムで変わらない部分で書きました。

発見タブを目標に置かない方がよい場合

扱う商品や地域が限られている場合、発見タブから来た人の多くは、その商品を買える人ではありません。フォローしていない人へ広く届くことと、問い合わせが増えることは、同じ方向を向かないことがあります。

商圏が近くに限られている店舗や、取引先が業界の中の数十社しかない会社では、フォロワー以外へ届いた数よりも、プロフィールを見た人の数や、そこからサイトを開いた人の数を目標に置いた方が、次にやることを決めやすくなります。発見タブを狙うかどうかは、自社の数字を並べてから決められます。まずは直近十本の投稿について、フォロワー以外に届いた数をインサイトから書き出してみてください。