「保存もいいねも伸びているのに、プロフィールへのアクセスだけ数字が動きません」。月次の振り返りで、こう相談されることがあります。
インスタのプロフィールアクセス率は、投稿を見た人の数に対して、プロフィールが開かれた回数がどのくらいあったかを表す割合です。アプリを英語表示にすると profile visits と出る項目がこれにあたります。フォローや問い合わせの手前にある入り口の数字で、ここが動かなければ、その先の数字も動きません。分母の決め方と、数字が低いときに疑う順番が分かれば、投稿側とプロフィール側のどちらを直すべきかが決まります。
profile visitsの意味と、プロフィールアクセス率の計算式
インサイトに出てくる profile visits は、プロフィールのアクセス数そのものです。期間中にプロフィール画面が開かれた回数を指し、割合ではありません。プロフィールアクセス率は、このアクセス数を投稿に届いた人数などで割った割合で、インサイトにそのまま表示される項目ではなく、自分で計算する数字です。
プロフィールアクセス率(%) = プロフィールのアクセス数 ÷ 分母 × 100
分母には、その投稿のリーチを使う方法と、インプレッションを使う方法があります。リーチを分母にすると「投稿を見た人の数に対して、プロフィールが何回開かれたか」を表し、インプレッションを分母にすると、同じ人が繰り返し見た分も母数に含まれるため、数字はやや小さく出やすくなります。この2つの数え方の違いは、リーチとインプレッションの違いに分けて書きました。エンゲージメント率と同じで、どちらの分母が正しいというものではありません。大切なのは、一度決めた分母を変えずに使い続けることです。
いまのアプリでは、インプレッションという名前の項目を探しても見つからないことがあります。TaTapの解説によると、従来のインプレッションにあたる数字は「閲覧数」、リーチにあたる数字は「閲覧者」という名前に変わっています。分母を決めるときは、この名前の変更をまたいで、同じ中身の数字を使い続けているかを確かめてください。この記事では、このあともリーチ・インプレッションの名前で書きます。画面に閲覧者と出ていれば、それがリーチにあたります。
アプリに出るプロフィールへのアクセス数は、人数ではなく回数で数えます。同じ人が期間中に2度プロフィールを開けば、2回として数えられます。また、誰が開いたのかは表示されません。インサイトに出るのは合計の回数だけで、ストーリーズの閲覧者のようにアカウント名が並ぶ画面は、プロフィールへのアクセスにはありません。
集計の単位にも注意が必要です。アカウント全体のプロフィールのアクセス数には、投稿からそのままプロフィールへ進んだ分のほかに、検索でアカウント名を打って開いた分や、他の人の投稿のタグやメンションから来た分も入ります。投稿ごとのインサイトに出るのは、その投稿からプロフィールへ進んだ分だけです。そのため、投稿ごとの数字をすべて足しても、アカウント全体の数字と同じにはならないことがあります。
アカウント全体のアクセス数を、ある投稿のリーチで割ると、その投稿と関係のない訪問まで分子に入ります。投稿どうしを比べるときは、分子も分母も、その投稿のインサイトに出る数字で揃えてください。
図1 アカウント全体の数と、投稿ごとの数の関係(模式図)
アプリのどこで数字を出すか
プロフィールアクセス率は自分で計算する数字なので、割り算に使う2つの数字を、先に画面から取り出します。どちらの数字も、アカウントをプロアカウント(ビジネスまたはクリエイター)に切り替えてあることが前提です。個人用のアカウントのままでは、インサイトの画面そのものが出ません。
投稿ごとの数字は、次の順で取り出します。
- 自分のプロフィール画面を開き、数字を見たい投稿をタップします。
- その投稿のインサイトを開きます。
- 画面を下にたどり、プロフィールのアクティビティにあたる場所から、プロフィールへのアクセスの数を読みます。
- 同じ画面にあるリーチしたアカウント数(いまの表示では閲覧者)が、分母に使う数字です。
アカウント全体の数字は、プロフィール画面の右上のメニューからインサイトを開き、期間を選んでから、リーチの内訳にあるプロフィールへのアクセスを読みます。
項目の名前は、アプリの版や表示言語によって変わります。英語表示では、プロフィールへのアクセスが profile visits にあたります。名前が違っていても、探しているのは「プロフィールが開かれた回数」と「投稿が届いた人数」の2つです。
同じ欄に並ぶ、プロフィールを開いたあとの数字
プロフィールへのアクセスは、インサイトの「プロフィールのアクティビティ」という欄に出ます。この欄には、プロフィールを開いた人がそこで何を押したかの数も一緒に並びます。どの数字が出るかは、プロフィールに何を載せているかで変わります。
| 英語表示 | 日本語表示 | 数えているもの |
|---|---|---|
| Profile visits | プロフィールへのアクセス | プロフィールが開かれた回数 |
| Website taps | ウェブサイトのタップ数 | プロフィールに載せたリンクが押された回数 |
| Get direction taps | ビジネス住所のタップ数 | プロフィールに載せた住所が押された回数 |
| Call button taps / Email button taps | 表記は未確認(電話・メールのボタン) | 電話番号やメールアドレスを載せている場合に、そのボタンが押された回数 |
英語の名前はSked Socialの解説、日本語の名前はコムニコの解説の表記に合わせました。英語と日本語の対応は、数えているものが同じ行をこちらで並べたものです。「表記は未確認」と書いた行は、日本語の表示名を確かめられていません。どの名前も、アプリの版によって言い回しが違うことがあります。
ウェブサイトのタップ数を profile visits と取り違えると、「プロフィールまで来た人」と「サイトへ進んだ人」が区別できなくなります。
図2 投稿ごとの数字を取り出す順番(模式図)
さかのぼれる期間は、アカウント全体と投稿ごとで違う
Meltwaterの解説によると、アカウント全体のインサイトに出るのは最大で過去90日分で、それより前の分は表示されなくなります。投稿ごとのデータは最大2年分を確認できます。
| 見る単位 | さかのぼれる期間 |
|---|---|
| アカウント全体のインサイト | 最大で過去90日 |
| 投稿ごとのインサイト | 最大2年 |
「半年前と比べたい」と思ったときに、アカウント全体の数字はもう画面から消えています。前の月と比べる予定がある場合は、月が変わったらその月の数字を書き写しておいてください。
なぜこの数字を見るのか。フォローや問い合わせの手前にある数字
投稿を見た人が、そのままフォローしたり、リンクから問い合わせたりすることはほとんどありません。多くの場合、投稿を見る、プロフィールを見る、フォローするか判断する、という順番を踏みます。プロフィールアクセス率は、この1段階目と2段階目の間にある数字です。
ここが動かなければ、プロフィールをどれだけ作り込んでも、見られる機会そのものが増えません。逆に、プロフィールアクセス率が高い状態を作れれば、プロフィールの改善やリンクの並べ方の見直しが、フォローや問い合わせの増加に反映されやすくなります。投稿の内容を直すべきか、プロフィールを直すべきかを考える前に、まずこの数字がどちらの手前で詰まっているかを確認する意味があります。
数字が低いときに疑う場所を順番に
数字が低いときは、次の順番で確認します。
- 投稿単体で情報が完結していないか:投稿だけで知りたいことが分かってしまう内容だと、プロフィールに進む理由がなくなります。
- 「もっと知りたい」と思わせる要素があるか:続きがある、シリーズになっている、詳しい話はプロフィールにあるといった、次を見る理由が投稿の中にあるかを確認します。
- プロフィールへ進む文言があるか:投稿文や画面内に、プロフィールを見てほしいという一言があるかどうかで、数字は変わります。
- 投稿を見ている層が変わっていないか:新規の閲覧者が増えている時期と、既存フォロワーへの再表示が中心の時期とでは、同じ投稿でもプロフィールアクセス率は違って出ます。
- 掲載面によって数字が変わっていないか:フィード、リール、発見タブでは、投稿を見に来る人の目的が異なります。特定の掲載面からの流入が偏っている時期は、その面に合わせた見せ方になっているかも確認します。
受託で複数アカウントの数字を見ていると、投稿の内容は変えずに投稿文末尾の一言だけを見直した結果、プロフィールアクセス率の推移が変わった場面に立ち会ったことがあります。投稿の企画そのものより先に、この一言の有無を確認する価値はあります。
図3 数字が低いときに確かめる順番
投稿の中で、プロフィールへ進める場所
投稿を見た人がプロフィールへ進むには、投稿の中のどこかを押してもらう必要があります。押してプロフィールが開く場所は限られています。
| 投稿の中の場所 | 押したときに起きること | 投稿する側にできること |
|---|---|---|
| 投稿の上のアカウント名・アイコン | そのアカウントのプロフィールが開く | 名前とアイコンで、何のアカウントか分かるようにしておく |
| 投稿文の中の @アカウント名 | 書かれたアカウントのプロフィールが開く | 投稿文に自分のアカウント名を @ 付きで入れる |
| 画像や動画の中の文字 | 押してもプロフィールは開かない | 「プロフィールもご覧ください」と書き、上の2つのどちらかを押してもらう |
| 投稿文に書いたURL | 一般のアカウントでは、押せるリンクにならない | 「URLはプロフィールにあります」と書く |
sloooothの解説は、プロフィールを見てもらう方法として、投稿文にアカウント名を入れることと、投稿画像に「プロフィールもぜひご覧ください」といった一言を入れることを挙げています。サイトへ案内したい場合については、URLのリンクはプロフィールにしか設定できないとしたうえで、「URLはプロフィールにあります」と書く方法を挙げています。
前の順番の3番目にある「プロフィールへ進む文言があるか」を確かめるときは、文言があるかどうかに加えて、その文言を読んだ人が次にどこを押せばよいかが投稿の中で分かるかも見てください。画像に「詳しくはプロフィールへ」と書いてあっても、画像の文字そのものは押せません。読んだ人が投稿の上のアカウント名や投稿文の @アカウント名 に気づかなければ、プロフィールは開かれにくくなります。
図4 投稿の中で押せる場所と、押せない場所(模式図)
プロフィール側を直すか、投稿側を直すかの判断
プロフィールアクセス率そのものが低いなら、投稿側に理由があることが多いです。投稿を見た人がそもそもプロフィールに進んでいないので、プロフィールの中身を直しても、見られる回数が増えなければ効果は測れません。まず投稿側の見直しを先に行います。
一方、プロフィールアクセス率は一定の水準を保てているのに、その先のフォロー率や問い合わせ数が伸びていない場合は、プロフィール側に理由がある可能性が高くなります。プロフィールまでは来ているのに、そこから先に進んでもらえていないという状態です。次の項目を、実際の目的と合っているかという視点で見直します。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 自己紹介文 | 一文で何をしているアカウントか分かるか |
| 投稿一覧の見え方 | プロフィールに来た人が続けて見たくなる並びになっているか |
| リンク欄 | 遷移先がフォローや問い合わせにつながる内容になっているか |
| ハイライト | よくある質問や実績が整理されているか |
リンク欄を見直したときは、プロフィールのアクティビティに並ぶウェブサイトのタップ数をプロフィールへのアクセスで割った数字を、見直す前の月と後の月で並べます。プロフィールまで来た人のうち、どのくらいがリンクを押したかを、同じ画面の数字だけで追えます。
プロフィール側の見直しは、投稿側の見直しより変更の影響範囲が広く出ます。一度に全部を変えるのではなく、確認項目のうち数字への影響が大きいと思う一つから手を付ける方が、何が効いたのかを後から振り返りやすくなります。
どちらから手を付けるかを決めるときは、プロフィールアクセス率と、その先のフォロー率や問い合わせ数を、別々の数字として並べて見ることが出発点になります。
図5 どちらの段階で止まっているかで、直す場所が変わる
業種平均ではなく、自分の過去の数字と比べる
「プロフィールアクセス率はどのくらいが普通か」という質問もよく受けます。ここは注意が必要です。投稿の種類、フォロワーの構成、リーチの広がり方は、アカウントごとに条件が違います。他のアカウントの数字と並べても、そのまま参考になる情報は多くありません。
意味のある比較は、同じアカウントの中で、同じ分母の定義を使い、時系列で追うことです。先月と今月、施策を変える前と後。条件をそろえて初めて、数字の変化に理由を求められます。
以前、あるクライアントが、他社の担当者から聞いた数字を基準にして、自社のプロフィールアクセス率を「低い」と判断していた場面に立ち会ったことがあります。実際に投稿の種類ごとに数字を並べ直すと、特定の投稿だけがプロフィールアクセス率を押し下げていて、アカウント全体の水準が悪いわけではありませんでした。他社の数字を基準にする前に、自分のアカウントの中で数字を並べる方が、次に直す場所が具体的になります。
今週投稿した内容ごとに、リーチとプロフィールアクセス数を並べて記録してください。数字が高い投稿と低い投稿の違いを比べれば、次にどの要素を変えるべきかが見えてきます。