金曜の夕方に、翌週の月曜朝の投稿を予約する。ここまでは多くの会社ができています。困るのはその後です。土曜に商品の在庫が切れた、日曜に取引先から名前を出さないでほしいと連絡が来た。月曜の朝、予約した投稿は誰も止めないまま公開されます。

予約投稿とは、投稿の日時をあらかじめ指定して、その時刻に自動で公開させる機能のことです。企業のアカウントでこの機能を使うとき、手順そのものは数分で覚えられます。決めておく必要があるのは、出す前に誰が中身を承認したかを残す形と、出した後に差し替える手順のほうです。

予約投稿は、手を抜く機能ではなく承認を前倒しする機能です

個人の使い方だと、予約投稿は「投稿する時間に自分が手を離せないから」という理由で使います。企業のアカウントでは理由が変わります。上長や別部署の確認が必要な投稿を、確認が取れた日にそのまま予約まで済ませてしまうために使います。

この違いは、運用の負担がどこにあるかの違いです。担当者の時間を食っているのは、投稿ボタンを押す一分ではありません。中身を作り、社内に見せ、直して、もう一度見せる往復のほうです。予約投稿を使うと、この往復が終わった時点で作業が完結します。公開日の朝に、担当者が何かをする必要はなくなります。

逆に言うと、承認を取らずに予約だけ先に入れてしまうと、危ない使い方になります。公開の直前に誰も見ないまま出るからです。

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PCから予約する手順と、アプリでできることの違い

PCで予約する場合は、Metaのビジネス向けの管理画面(Meta Business Suite)を使います。ブラウザで管理画面を開き、投稿を作る画面に入り、画像や動画と投稿文を入れて、公開のボタンの横にある日時指定に切り替えます。日付と時刻を入れて保存すると、予約された投稿の一覧に並びます。フェイスブックのページとインスタグラムのアカウントがつながっていれば、同じ画面から両方に出せます。

図1 PCの管理画面で、日時指定に切り替える場所

投稿を作る画面(模式図) 画像・動画 投稿文 公開 日時指定 ここで切り替えます 手順 ① ブラウザで管理画面を開く ② 投稿を作る画面に入る ③ 画像や動画と投稿文を入れる ④ 公開の横の日時指定に切り替える ⑤ 日付と時刻を入れて保存する 保存すると、予約された投稿の 一覧に並びます
切り替えるのは公開ボタンそのものではなく、その横です。ここを触らずに公開を押すと、その場で出てしまいます。

アプリからも予約はできますが、企業のアカウントではPCを使ったほうが向いています。理由は三つあります。一つ目は、予約済みの投稿を一覧で見られることです。二つ目は、投稿文を長く書くときにキーボードのほうが速いことです。三つ目は、画像の差し替えや文言の直しを他の人に頼むときに、画面を共有しやすいことです。

一つだけ気をつける点があります。予約できる投稿の種類には制限があり、種類によっては後から編集できないものがあります。予約を入れる前に、この投稿は後で直せるのかを確かめてください。直せない種類であれば、差し替えは「削除して作り直す」になります。

出す前に、誰が承認したかを残します

管理画面には、承認の記録は残りません。予約した人の名前は残りますが、その中身を誰が良いと言ったかは、どこにも書かれていません。担当者が変わったときに、この記録がないと過去の判断をたどれなくなります。

やり方は簡単で、社内のチャットか表計算のどちらかに一行足すだけです。公開日、投稿の主題、承認した人の名前。この三つで足ります。凝った形にすると続きません。

承認する人は一人に決めておきます。複数人で見ると、意見が分かれたときに予約の日が動き、担当者が調整に時間を使うことになります。他の人が気になる点を挙げるのは構いませんが、出すか出さないかを最後に決めるのは一人にします。その人が不在の週をどうするかも、あらかじめ決めておきます。

この一行が役に立つのは、後から振り返るときです。数字が良かった投稿と悪かった投稿を並べるとき、誰がどんな理由で出すと決めたのかが分かります。同じ主題を次に出すかどうかを、そこで判断できます。

差し替えが必要になる場面を、先に書き出します

予約した投稿を止める必要が出るのは、たいてい次のような場面です。紹介した商品の在庫が切れた。価格が変わった。取引先の都合で名前を出せなくなった。世の中で大きな出来事が起きて、明るい調子の投稿を出す時期ではなくなった。

図2 止める必要が出る場面と、誰が気づくか

場面 気づく人 紹介した商品の在庫が切れた 営業が気づきます 価格が変わった 担当部署が気づきます 取引先の名前を出せなくなった 窓口の人が気づきます 大きな出来事が起きた 全員が気づきます 止め方は三つ ・予約を取り消す ・日付をずらして後日出す ・中身を直して同じ日に出す 迷ったら取り消して、 後で決めます
四つのうち三つは、SNSの担当者の外で起きます。担当者が一人で予約の一覧を見ていても、止める理由のほうには気づけません。

この四つを紙に書いて、それぞれ「誰が気づくか」を横に書きます。在庫は営業、価格は担当部署、取引先は窓口の人、世の中の出来事は全員。気づく人が分かれば、その人に予約の一覧を見せておけば済みます。

止め方も決めておきます。予約を取り消すだけでよいのか、日付をずらして後日出すのか、中身を直して同じ日に出すのか。この三つは判断が違うので、迷ったときは取り消して後で決めるほうが安全です。取り消した投稿は下書きとして残るので、作り直しにはなりません。

一ヶ月分をまとめて予約するときの段取り

月に何本かを一度に予約する会社が増えています。まとめて予約すると楽になりますが、二つだけ注意する点があります。

一つ目は、全部を埋めないことです。一ヶ月の枠のうち二割ほどを空けておきます。その月に何か起きたときや、現場で良い素材が撮れたときに、そこへ入れられます。全部を埋めてしまうと、新しい素材を出すために予約を崩すことになり、かえって手間が増えます。

二つ目は、予約の一覧を月の途中で一度見ることです。予約した日から公開日まで二週間以上空くものは、その間に前提が変わっている可能性があります。月の半ばに五分だけ、残りの予約を上から眺める時間を取ります。

図3 一ヶ月の枠は全部を埋めず、月の半ばに一度眺めます

一ヶ月の予約の枠(十本の例) 予約済み 予約済み 予約済み 予約済み 予約済み 予約済み 予約済み 予約済み 空き 空き 空けた二割には、その月に起きたことや、現場で撮れた良い素材を入れます。 月の半ばに、残りの予約を上から眺めます 五分だけ まとめて予約した日 月の半ば 月末
空けた二割は、まとめて予約する日にはまだ中身が決まっていない枠です。決まっていないものを先に置いておく形になります。

まとめて予約する日を、毎月同じ曜日に固定しておくと、この確認も一緒に習慣になります。素材が足りない月は本数を減らして構いません。予約の枠を埋めることが目的ではないからです。

担当が変わるときに引き継ぐもの

予約投稿を使っている会社で、担当が変わるときに抜けやすいものが二つあります。

一つは、予約済みの投稿そのものです。前の担当者が入れた予約は、引き継いだ人が一覧を見ないかぎり気づきません。引き継ぎの日に、二人で予約の一覧を開いて、公開日と中身を確認してください。

もう一つは、管理画面に入る権限です。個人のフェイスブックのアカウントを通してつながっているため、前の担当者の権限を消すと、予約まで消えることがあります。権限を外す前に、新しい担当者を先に追加します。

来週の予約がすでに入っているなら、いま一覧を開いて、公開日と中身を一件ずつ見てください。止めたほうがよいものが混じっていれば、この時点なら取り消せます。