「予約の前に、営業時間とアクセスを聞かれることが増えました」。飲食店を運営するクライアントから、こんな話を聞くことがあります。投稿を見る、プロフィールを見る、営業時間や場所を確認する、という順番の中で、最後の確認の段階でつまずいている店舗は少なくありません。結論から言うと、飲食店のインスタ集客は「来店」というゴールが最初から一つに定まっている分、他の業種より設計しやすい商材です。難しいのは目的探しではなく、来店までの経路と、来店前に確認される情報をどこにどう置くかです。この記事では、投稿が来店予備軍に届く経路、写真で見せるべき内容、来店前に確認される情報の置き方、撮影を続けるための型、数字の見方の順に整理します。

検索と発見、二つの経路から来店予備軍が来る

飲食店の投稿は、フォロワー以外の目にも触れやすい構造を持っています。地名や料理名で検索して店を探している人と、発見タブやリールを見ていて偶然その店の投稿に触れる人の、二つの経路があるためです。

検索から来る人は、来店の意思がある程度固まっています。「エリア名 ジャンル」で検索し、候補になりそうな店の投稿やプロフィールを見比べている段階です。この経路では、位置情報タグとハッシュタグが手がかりになります。投稿に位置情報を付けておくと、その場所で検索した人の目に触れる可能性が生まれます。ハッシュタグは、エリア名と料理名を組み合わせたものを中心に、検索されそうな言葉で付けておきます。

発見タブやリールから来る人は、まだその店を探していたわけではありません。たまたま流れてきた投稿で存在を知る段階です。この経路では、投稿そのものの見た目や、他の利用者の保存が判断材料になります。保存された投稿は似た興味を持つ人にも表示されやすくなるため、検索で見つかりにくい店ほど、この経路の比重が大きくなります。

どちらの経路から来ても、投稿を見た人が次に確認するのはプロフィールです。検索から来た人も発見から来た人も、この先の段階は同じ経路をたどります。

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写真で見せるべきは、料理単体より使われ方

飲食店の投稿というと、料理写真を綺麗に撮ることに意識が向きがちです。ただし、来店を検討している人が知りたいのは、料理の見た目だけではありません。どんな席で、どんな雰囲気の中で、その料理を食べることになるのかという、来店したときの体験そのものです。

料理写真だけを並べたアカウントと、席の様子や店内の空気感が伝わる投稿を混ぜたアカウントとでは、来店を検討している人に伝わる情報量が違います。一人で入りやすい店なのか、グループでの利用に向いているのか、カウンターなのかテーブル席なのかといった情報は、来店を決める判断材料になります。

受託で飲食店の投稿を設計していると、料理写真中心だった構成に、客席から見た店内の様子や、実際に料理が運ばれてくる場面を加えただけで、コメントに「行ってみたい」という反応が増えた例に立ち会ったことがあります。料理の完成形だけでなく、その場に自分がいる想像ができる情報を足すことが、来店の後押しになります。

来店前に確認される情報を、プロフィールとハイライトに集約する

投稿を見て興味を持った人が次に確認するのは、営業時間、予約の可否、アクセス、メニューと価格帯です。この情報が投稿を探し回らないと分からない状態だと、確認の途中で離脱されます。

プロフィールの自己紹介文には、営業時間と定休日、予約の要不要を短く明記しておきます。リンク欄には、予約ページか地図アプリのどちらか、来店により近い行動につながるリンクを置きます。ハイライトには、メニューと価格帯が分かる投稿、店内の様子が分かる投稿、アクセス方法が分かる投稿をカテゴリごとにまとめておくと、投稿を遡らなくても必要な情報にたどり着けます。

確認されること 置き場所
営業時間・定休日 自己紹介文
予約の可否 自己紹介文・リンク欄
アクセス ハイライト・位置情報タグ
メニューと価格帯 ハイライト

この四つが揃っていないアカウントは、投稿がどれだけ伸びても、来店の一歩手前で確認が止まってしまいます。

撮影を続けるための型を、営業の負担にしない

飲食店の投稿が続かなくなる一番の理由は、撮影の負担です。営業中に手が空かない中で、毎回違う構図やアイデアを考えていると、更新が止まります。

続けるコツは、撮る場面をあらかじめ決めておくことです。開店前の仕込みの様子、提供する瞬間、客席から見た一枚というように、撮る場面を数パターンに絞っておけば、営業中でも短い時間で撮影が終わります。毎回ゼロから何を撮るか考える必要がなくなり、撮影が業務の一部として定着しやすくなります。

受託で複数の飲食店アカウントの撮影計画に関わっていると、仕込みの様子・提供の瞬間・客席からの一枚という三つの型に絞ったことで、担当者一人でも撮影から投稿までを無理なく回せるようになった例を見てきました。新しいメニューが出たときだけ特別に撮るのではなく、通常営業の中で撮れる場面を型として持っておくと、投稿の頻度が営業状況に左右されにくくなります。

数字は保存とプロフィールアクセスを見て、来店との距離を確かめる

投稿の反応を見るときは、いいねの数より保存とプロフィールアクセスを見ます。保存は、後で店を探すときのために残しておきたいという判断が伴う行動で、来店の検討度が高い反応です。プロフィールアクセスは、投稿を見た人が営業時間やアクセスを確認しに来た動きそのもので、来店の一歩手前の行動として捉えられます。

投稿ごとに保存とプロフィールアクセスがどう動いたかを記録しておき、実際の来店の増減と時期を突き合わせてみてください。投稿の反応と来店の動きが近いタイミングで連動していれば、その投稿の型が来店につながっている手がかりになります。反応は伸びているのに来店の動きが変わらない場合は、投稿から先の確認の段階、プロフィールやハイライトの情報が来店を後押しできているかを見直す番です。

まず自分の店のプロフィールを開き、営業時間・予約の可否・アクセス・メニューと価格帯の四つが、投稿を遡らずに確認できる状態になっているかを見てください。