「とりあえずアカウントは作ったが、次に何をすればいいか分からない」。これから企業アカウントを始める担当者から、よく聞く言葉です。結論を先に言うと、最初の30日でやることは、話題になる投稿を狙うことではありません。目的と届けたい相手を決め、プロフィールを整え、同じ型で投稿を作れる状態にすることです。ここまで作れれば、31日目以降も投稿を続けられます。

アカウント開設前に決めること。目的と、届けたい相手

アカウントを開設する前に、二つを決めておく必要があります。一つは目的です。問い合わせを増やしたいのか、採用の応募を増やしたいのか、来店を増やしたいのか。目的によって、投稿で見せる内容は変わります。

  • 問い合わせ・資料請求を増やしたい:サービスや商品の使われ方が伝わる投稿を中心にする
  • 採用の応募を増やしたい:働く人や社内の様子が伝わる投稿を中心にする
  • 来店・購入を増やしたい:店舗や商品の実物が伝わる投稿を中心にする

もう一つは、誰に届けたいかです。「多くの人に」という設定では、投稿の内容が具体的になりません。実在しそうな一人の人物像まで絞り込むと、その人が知りたいこと、その人に伝わる言葉が見えてきます。この二つが決まらないまま開設すると、投稿のたびに何を書くか迷う状態が続きます。細かい指標の設計は後からでも直せますが、目的と届けたい相手は、最初に言葉にしておくことで以降のすべての判断が速くなります。

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プロフィール設計。最初に見られる場所を整える

アカウント名には、検索されそうな言葉を含めます。会社名だけでなく、業種や地域を含めた名前にすると、目的に合った人からの検索で見つかりやすくなります。

自己紹介文には、誰向けの、何をしているアカウントかを一文で書きます。実績や理念を並べるよりも、初めて訪れた人がフォローするかどうかを判断できる情報を優先します。

項目 確認すること
アカウント名 検索されそうな言葉が含まれているか
自己紹介文 誰向けの、何をしているアカウントかが一文で分かるか
プロフィール画像 投稿一覧に並んだときに認識しやすいか
リンク欄 問い合わせ・予約・採用ページなど、目的に合う遷移先を設定しているか
アカウント種別 ビジネスアカウントに切り替え、インサイトを見られる状態にしているか

ハイライトを使う場合は、よく聞かれる質問ごとにまとめておくと、フォロー前の疑問をプロフィール上で解消できます。プロフィールは一度作って終わりではなく、最初の投稿を出す前に、この五つを一通り見返しておくことをおすすめします。

最初の投稿設計。同じ型で作れる状態を作る

最初の数本は、フォローするかどうかを判断する材料になります。自社の仕事の中で、いちばん伝わりやすい一つを選び、それを最初の投稿にします。網羅的に紹介する必要はありません。

その次に大事なのが、投稿の型を決めることです。毎回ゼロから構成を考えると、更新は止まりやすくなります。見出しの位置、写真の枚数、文字の入れ方など、同じ型で中身だけを差し替えられるフォーマットを一つ決めておくと、二本目以降の制作にかかる時間が短くなります。

型に入れる中身は、新しく作らなくても、すでに社内にあるものから選べます。作業の工程、現場の様子、担当者が答えている質問、商品ができあがるまでの流れ。特別な撮影をしなくても、日常の業務の中に投稿できる材料はあります。

投稿文の書き方も、型として決めておくと迷いが減ります。冒頭の一文で何についての投稿かを示し、本文で具体的な内容を伝え、最後に問い合わせやプロフィールに進んでもらう一言を添える。この順番を固定しておけば、投稿ごとに文章の組み立てから考え直す必要がなくなります。写真の枚数や比率も同様に、最初の数本で決めた基準をそのまま使い回せば、次に何を撮ればいいかで迷う場面が減ります。

30日の運用リズム

最初の30日は、大きな成果を求める期間ではありません。無理なく続けられる頻度で投稿し、決めた型で本当に量産できるかを確かめる期間です。投稿頻度を毎日にそろえる必要はなく、週1回でも、決めた型で出し続けられる頻度から始めます。

  1. 1週目:目的と届けたい相手を決め、プロフィールを整える
  2. 2週目:投稿の型を決め、最初の1本を出す
  3. 3〜4週目:決めた型で2〜3本を追加投稿し、リーチや保存の数字を記録する

投稿したら、リーチや保存といった数字を簡単に記録しておきます。30日経った時点で、どの投稿の反応が良かったかを振り返れる状態にしておくことが目的です。振り返りの材料がなければ、31日目以降も同じように手探りで投稿を続けることになります。

受託でアカウントの立ち上げに関わっていると、最初の数本だけ作り込みすぎて、二本目以降が続かなくなる場面を何度か見てきました。初回だけ特別な作り方をすると、その基準が普段の運用でも求められるようになり、負担が大きくなって更新が止まります。最初から、毎回同じ手間で作れる型で始めておく方が、結果的に長く運用できます。

やらなくていいこと

毎日投稿する義務はありません。フォロワー数を最初の目標にする必要もありません。フォロワーが増えても、目的である問い合わせや来店につながらなければ、目標としては意味を持ちません。

流行の音源や話題の型に、最初から飛びつく必要もありません。自社の内容と結びつかない企画は、真似しても長続きしません。他社アカウントのやり方をそのまま取り入れる必要もありません。自社にない素材や体制を前提にした型は、続けようとしても無理が出ます。コメントやDMへの対応も、最初から完璧を目指す必要はなく、基本的な返信ができていれば十分です。

今日中に、目的と届けたい相手をそれぞれ一行で書き出してください。そこが決まってから、プロフィールと最初の投稿の型を作れば、30日後に振り返るための数字が残ります。