「デザインをお願いしたいのですが、中身はそちらで考えてもらえますか」。カルーセルの制作を頼まれるとき、この確認から入ることがよくあります。カルーセルは複数枚の画像で説明を組み立てる投稿の形式で、写真1枚の投稿と違い、書く内容がないと作りようがありません。
先に結論を書きます。カルーセルを外注するとき、社内に必ず残るのは「何を書くか」の材料出しです。文章にまとめる作業も、順番を組み立てる作業も、デザインも外に出せます。しかし、その会社にしかない知識そのものは外注先の中にありません。ここを決めずに発注すると、一般的な内容が並んだだけの投稿が上がってきて、作り直しになります。この記事では、どこまで頼めて何が残るのか、渡す材料をどうそろえるのかを書きます。
カルーセルは、原稿がないと1枚も作れません
写真1枚の投稿であれば、良い写真があれば成立します。カルーセルは違います。1枚目で何の話かを示し、2枚目以降で順を追って説明し、最後の1枚で次の行動を示す、という構造を持つためです。この構造を埋めるのは文章です。
ここで外注先ができるのは、材料を整えて読める形にすることです。専門的な内容を短い文に直すこと、順番を組み替えること、1枚に載せる文字の量を調整すること、これらは頼めます。逆に、材料そのもの、つまり「自社の現場で実際に起きていること」は、社内から出すしかありません。
受託の現場で作り直しになる原因は、デザインの好みが合わないことより、この材料が足りていないことのほうが多いです。デザインは修正の回数で直りますが、材料がないと何度直しても中身が薄いままです。
社内の誰が中身を出すのかを先に決める
材料出しを「担当者が空いた時間にやる」という形にすると、多くの場合は止まります。本業があるためです。続けるには、誰がどの頻度で材料を出すのかを決めておく必要があります。
現実的な形は、現場の人に短時間だけ協力してもらう方法です。文章を書いてもらうのではなく、話してもらった内容を担当者が箇条書きにします。書く作業を求めると負担が大きくなりますが、質問に答える形なら短い時間で済みます。
もう一つの方法は、すでにある文章を材料にすることです。社内の手順書、よくある質問への回答、過去に書いた提案資料、問い合わせへの返信文。これらはすでに自社の言葉で書かれているため、材料としてそのまま使えます。新しく書き起こす前に、手元にある文章を探してください。
材料を渡す形についても、先に誤解を解いておきます。整った原稿を用意しないと発注できないと考えて、着手が遅れることがありますが、実際には次の形がそろっていれば作れます。
- この投稿で伝えたいことを1行で書いたもの
- 読んでほしい人がどんな状況にいるか
- 説明したい項目を、順番を気にせず箇条書きにしたもの
- 数字や固有名詞など、間違えてはいけない情報
- 使ってよい写真、使ってはいけない写真
文章として整っている必要はありません。順番も、外注先が組み替えます。むしろ、こちらで整えすぎた原稿を渡すと、1枚に載る文字量に合わず、結局は書き直しになることがあります。
避けたほうがよいのは、参考にしたい他社の投稿だけを渡して「こんな感じで」と伝える形です。見た目は似せられますが、中身は自社の材料からしか作れないため、材料が空のまま進みます。
1枚目に何を書くかは、社内で決めてください
カルーセルは、1枚目だけが人の目に入る場所に並びます。2枚目以降は、1枚目を見た人がめくったときに初めて表示されます。そのため、1枚目に何を書くかは、他の枚と比べて結果への影響が大きい部分です。
ここは外注先に丸ごと任せないほうがよい箇所だと考えています。1枚目は、その投稿が誰に向けたものかを示す場所です。誰に向けるかは自社の判断で、外注先には決められません。デザインの見せ方は任せるとしても、「誰に向けて、何の話をするのか」の一文は社内から出してください。
1枚目でよく起きる失敗は、内容を要約しようとして言葉が抽象的になることです。「SNS運用のポイント」のような見出しは、範囲が広すぎて自分に関係があるかどうかが読む人に伝わりません。誰のどんな場面の話なのかが分かる書き方にすると、めくる人が増えます。
枚数が金額を動かします
カルーセルの金額は、1枚あたりの単価ではなく、1点(1投稿)あたりで決まることが多く、そこに枚数の条件が付きます。何枚までが基本の料金に含まれるのかを確認してください。
当社の場合の金額を、事実として並べておきます(2026年8月時点・税別)。3ヶ月以上の継続でお預かりする場合、月に作る点数で1点あたりの単価が変わります。カルーセル1点(5枚まで)は、月1〜3点で28,000円、月4〜7点で24,000円、月8点以上で21,000円です。6枚目以降は1枚あたり、同じ区分で4,000円、3,500円、3,000円が加わります。10枚を超える構成は別途のご相談になります。都度のご依頼は定価となり、月1〜3点の欄の金額が適用されます。この中には構成、全ページのデザイン、文字入れ、投稿文の執筆が含まれ、修正は初回から2回までを含みます。
枚数を増やせば伝わる量は増えますが、その分だけ読み終える人は減ります。枚数は金額だけでなく、最後まで読まれるかどうかにも関わるので、増やす前に本当に必要な項目かを見てください。
型を最初に作ると、2本目以降が速くなります
カルーセルを継続して出す場合、1本目に時間をかけて型を作っておくと、その後の制作が速くなります。型として決めておく項目は次のとおりです。
文字の書体と大きさ、1枚に載せる文字数の上限、色の組み合わせ、1枚目の見出しの位置、最後の1枚に置く一文。これらを最初に決めておけば、2本目以降は材料を渡すだけで進みます。毎回ゼロから相談する形にすると、確認の往復が毎月発生します。
型を決める作業は、外注先に頼めます。ただし、決まった型を社内の誰が承認するのかは先に決めてください。1本目の確認に複数の部署が入ると、そこで止まります。
依頼する前に決めておくこと
- 材料を出す人と、その頻度
- 1投稿あたりの枚数の目安
- 基本の料金に何枚まで含まれるか、超えたときの追加はいくらか
- 投稿文を書くところまで含むか、画像だけか
- 修正が何回まで含まれるか
- 作ったデータを渡してもらえるか
まずは、手元にある文章を探してください。手順書でも、問い合わせへの返信文でも構いません。それが1本分の材料になるかどうかを見てから、依頼先に相談すると、最初の1本が早く出せます。