Instagramでは、1投稿につきハッシュタグを最大30個まで付けられます。この上限を意識して、思いつく限りのタグを詰め込む付け方が、かつては一般的でした。タグ経由の検索で見つけてもらうことが、投稿を広げる主な手段の一つだったためです。結論を先に言うと、その前提はもう成り立っていません。ハッシュタグは検索の主要な経路ではなくなりました。ただし役割を終えたわけではなく、いまも投稿の内容を伝える情報として機能しています。この記事では、役割の変化と、いまの付け方の考え方を整理します。

ハッシュタグのかつての役割と、いま起きている変化

ハッシュタグ検索が主な発見経路だった時期、投稿は「そのタグを検索した人」に見つけてもらうことを前提に設計されていました。関連性の高いタグを選び、検索結果の上位に表示されることが、リーチを広げる方法の一つとされていました。投稿を作るときも、内容そのものよりも先に、どのタグで検索されたいかを起点に企画を考える運用も少なくありませんでした。

その後、Instagramの発見面は大きく変わりました。発見タブやリールのおすすめ欄は、ハッシュタグの一致よりも、利用者の行動履歴や投稿への反応パターンをもとに表示する仕組みへと比重を移しています。検索窓からハッシュタグを直接入力して探す使い方自体も、以前ほど一般的ではなくなりました。ハッシュタグが検索の主要な経路ではなくなった、というのが現在の状況です。

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いまは、おすすめ表示から見つかることが多い

いま多くの利用者が新しい投稿と出会う場所は、発見タブやリールのおすすめ欄です。これらの面に表示されるかどうかは、その投稿がどれだけ保存・シェア・最後まで見られているかといった反応の質と、利用者ごとの興味関心の推定によって決まります。ハッシュタグの一致は、この判断材料の一つではあっても、中心的な要素ではなくなっています。

つまり、いい投稿を作ることと、いいタグを選ぶことは、以前ほど同列の作業ではなくなりました。発見面に載るかどうかを左右するのは、投稿そのものへの反応です。ハッシュタグだけを工夫しても、内容が伴わなければ、表示は広がりません。タグの選定に時間をかけるより、その時間を投稿の内容そのものの改善に回した方が、いまの仕組みには合っています。

リールとフィード投稿でも、発見面に載る仕組みの土台は共通しています。動画か静止画かという形式の違いよりも、最後まで見られているか、保存されているかといった反応の強さの方が、表示範囲を左右する比重は大きくなっています。ハッシュタグの付け方を投稿形式ごとに変える必要はあっても、発見面に載るための本質は同じだと考えておくと、対策の優先順位を間違えにくくなります。

それでもタグを付ける理由。内容の分類情報として

ハッシュタグが検索経路として弱くなったからといって、付けなくてよいわけではありません。ハッシュタグは、投稿がどんな内容かをSNSに伝える分類情報として、いまも機能しています。関連性の高いタグは、その投稿がどんな興味関心を持つ利用者に向いているかを推定する材料の一つになります。

タグ専用の検索やタグページを見る利用者も、数としては以前より少なくなったとはいえ、いなくなったわけではありません。特定の趣味や地域に関心が強い利用者は、いまもタグ経由で情報を探すことがあります。店舗ビジネスや地域密着のアカウントでは、地名を含んだタグが、狭い範囲を対象にした検索や発見面で見つけてもらう手がかりとして働く場面もあります。ハッシュタグを「検索されるための道具」から「投稿の中身を説明するラベル」へと位置づけ直すと、付け方の判断がしやすくなります。ラベルという前提に立つと、人気のタグを追いかける発想から、投稿の内容を正確に言い表す発想へと、選び方の軸が自然に変わります。

個数と選び方の考え方

30個まで付けられるからといって、上限まで詰め込む必要はありません。数を優先すると、投稿の内容と関係の薄いタグまで混ざりやすくなり、分類情報としての精度が下がります。

選び方の基準としては、次の三種類を組み合わせる考え方が実用的です。

  • 投稿の内容を直接説明するタグ:写っているもの、扱っているテーマをそのまま表す言葉
  • 業種やジャンルを表すタグ:同じジャンルの投稿を探している利用者に届きやすくする言葉
  • 地域やブランド名など固有のタグ:地域密着や自社の認知を目的にする言葉

多くても10個前後を目安にし、投稿ごとに内容に合わせて選び直すことをおすすめします。同じセットを使い回すのではなく、その投稿を最も正確に説明する言葉を選ぶという意識が、分類情報としての精度を高めます。投稿文欄とは別の1行目のコメントにタグをまとめて置くか、投稿文の末尾にまとめるかは好みの問題で、読みやすさを優先して決めれば十分です。

決めたタグのセットは、一度作って終わりにせず、月に一度は見直す機会を設けておくことをおすすめします。取り扱う商品やサービスの内容が変わったり、力を入れる企画が変わったりすると、以前決めたタグが投稿内容とずれていきます。定期的な見直しを運用のルーティンに組み込んでおくと、このずれに早く気づけます。

やりがちな失敗

いちばん多い失敗は、内容と関係のない人気タグを混ぜて、表示回数を稼ごうとすることです。関連性の低いタグは、興味のない利用者に表示される結果につながりやすく、反応率を下げる方向に働くことがあります。

もう一つは、一度決めたタグのセットを、内容を変えても使い続けることです。受託でアカウントを引き継ぐと、数年前に決めたハッシュタグのセットが、投稿の内容が変わったあともそのまま貼り付けられている場面によく出会います。投稿文の最後に長いタグの羅列を付けることで、本文が読みにくくなっているケースも見かけます。競合アカウントのタグをそのまま真似て、自社の投稿内容とはずれた言葉が並んでいる例も見かけます。タグは他社の真似ではなく、自分の投稿を説明する言葉であるという前提に立ち返ると、選び直しやすくなります。

検索ボリュームの大きいタグほど効果があると考え、内容と無関係でも人気タグを付け加えてしまう判断も、同じ種類の失敗です。人気タグの投稿数は膨大なので、そのタグを付けたところで自分の投稿が上位に表示される可能性は低く、興味のない利用者に表示される確率だけが上がります。付ける理由を説明できないタグは、思い切って外した方が、分類情報としての精度は上がります。

いま使っているタグのセットを開いて、直近5本の投稿の内容と本当に合っているかを見直してください。合っていないタグは外し、その投稿の中身を正確に言い表す言葉に置き換えてください。